検証したシステムと前提
検証対象は、当サイトで研究記録を公開しているルールベースのスイングトレードシステムです。人の裁量を挟まず、毎営業日、機械的に判定します。
システムの仕組み(3戦略の考え方・相場環境の判定・シグナルの流れ)はシステム紹介ページで図解しています。このページは「成績の検証記録」に絞ります。
- 対象
- 340銘柄(うちデータの揃う336銘柄で計算)
- 期間
- 2016年9月〜2026年9月の10年
- 相場環境の判定
- 日次スキャナ版(4段階:強気/中立/弱気/パニック)
- 判定と約定
- いずれも終値。当日の終値で条件成立 → 翌営業日の終値で約定
- 手仕舞い
- 保有期限・利確・移動平均への戻り、または安値が損切り水準に触れた日の終値
- 運用条件
- 現物・同時保有10銘柄まで・1トレードのリスク1%・複利
- コスト
- 未考慮(手数料・スリッページ・税を含みません)
- 数値の時点
- 2026年9月6日時点(毎営業日更新)
結果 ― 10年・1,820トレードの成績
勝率52.4% ― つまり10回に5回は負けるということです。それでもPF(総利益÷総損失)は1.54。「負けた金額の1.54倍を稼いだ」ことを意味します。
なぜ勝率52.4%で勝てるのか
答えは、1回あたりの「勝ちの大きさ」と「負けの大きさ」の非対称にあります。
勝率で勝とうとすると、含み損を「戻るまで待つ」ことになり、一発の大負けで崩れます。このシステムは逆で、負けるときは小さく、勝つときは1.57倍とる設計です。平均の勝ちは+6.54%、平均の負けは−4.17%。勝率がほぼ五分でも利益が残るのは、この差の積み重ねによるものです ― これが1,820件の検証が示した結論です。ただし最大ドローダウンは−24.2%まで沈み、最大17連敗を経験しています。安全装置(HALT)が暴落時の新規建てを止めてなお、この深さです。
「たまたま」ではないか ― 頑健性の確認
バックテストで一番怖いのは、特定の設定だけで光る「過剰最適化(カーブフィッティング)」です。そこで、利益を伸ばす幅(トレール幅)を変えて成績がどう変わるかを確認しました。
- トレール幅を 8%・10%・12%・15% と大きく変えても、プロフィットファクターはすべて1.8超で安定
- 特定のパラメータでだけ成績が跳ね上がる「崖」は見られなかった
設定を動かしても成績の骨格が変わらない ― 幅広い条件で安定して機能することが、このシステムの数字を信頼する根拠です。逆に言えば、1つの「魔法の設定」があるわけではありません。
資金の使い方も検証した
「いくらの資金で、何銘柄まで持つのが効率的か」も、現実コスト(税・金利・スリッページ)込みで検証しました。
一発を狙うレバレッジではなく、現物で淡々と複利を効かせる形が、データ上はもっとも合理的でした。
正直な注意 ― この数字の限界
これはバックテスト(過去データ)に基づく理論値であり、将来の利益を保証しません。実運用では、バックテストより成績は落ちます。勝率はほぼ五分で、連敗局面は必ず来ます。最大ドローダウンは−30%前後を覚悟してください(検証では−24.2%、最大17連敗)。成績は「ルールを機械的に守れるか」に依存し、裁量を混ぜると崩れます。手数料・税金・スリッページの全部または一部を含みません。