本書がやったこと
EDINETの大量保有報告書と、各社の有価証券報告書。そこに残された71銘柄・延べ250回・13年分の記録を、すべて拾い出しました。いつ買い、いつ増やし、いつ消えたか。彼の売買は、公文書に刻まれています。さらに、本人が公の場で語ったほぼ唯一の一次資料——企業公式YouTubeの大株主対談と、2016年の片山晃氏との対談——を突き合わせました。
発言と、データが一致する
- 2016年「4,000円くらいで買い始めた」→ 公文書に残る初登場時の株価は3,735円
- 「1万円割れで買い戻した」→ その通りに、保有割合は増えていた
- 「2024年に売却するつもりだった」→ まさにその年、11年間でただ一度だけ保有株数が減少(▲19万株)。そして翌2025年、+83万株で筆頭株主に
- 2016年、日経平均19,000円台のとき「いつか4万円に行くとイメージしている」→ 2024年2月、実現
七つの原則
- プロと戦わない土俵を選ぶ
- 「ぴょこん」を捉える——誰も見ていない小さな跳ねを待つ
- 先回りして、機関投資家に渡す
- 買いは価値と価格の差、売りは時価総額で決める
- 現物のみ。信用取引はやらない——退場しない者が、最後に勝つ
- 1日20分——時間の使い方は、戦略である
- 相談しない——孤独は、コストではなく武器
会社員を続けたまま、1日20分。それが300億円の作り方でした。
検証:「五味銘柄」は買いなのか
彼の保有銘柄を、報告書の公開から90日も待って機械的に買い続けたら、どうなったか。結果は+321%。同じ期間の日経平均は+280%、TOPIXは+190%でした。公開情報を、公開から3ヶ月も遅れて後追いするだけで、指数に勝てていた。ただし——その「丸ごと真似」には、集中の代償という別の顔もあります。そこも、隠さずに書きました。
巻末付録2は「大量保有報告書の読み方——EDINET実用ガイド」。あなたが自分で、明日から同じ調べ方をするための手順書です。100万円が300億円になった全行程が、誰でも読める公文書に残っていました。