CAN SLIMは、勘ではなく「条件」で成長株を絞り込むための、いわばチェックリストです。だから誰でも、同じ基準で探せます。
CAN SLIMとは
CAN SLIM(キャンスリム)は、アメリカの投資家ウィリアム・オニールが提唱した成長株投資の手法です。過去に大きく上昇した銘柄に共通する特徴を研究し、7つの条件の頭文字としてまとめたもの。業績(ファンダメンタルズ)とチャート(テクニカル)の両面から、伸びる前の成長株を見つけ出すことを狙います。
7つの条件(CAN SLIM)
記号
意味
見るポイント
C
当期の利益
直近の四半期で、利益が大きく伸びている
A
年間の利益
数年にわたり増益が続いている
N
新しさ
新製品・新事業・新高値など、変化がある
S
需給
発行株数が多すぎず、買い需要が強い
L
主導株
業界の中で出遅れではなく先導する側
I
機関投資家
プロの資金が買い始めている
M
市場全体
相場全体(地合い)が上昇局面にある
ポイントは、「良い会社」と「良いタイミング」の両方を要求すること。業績が良くても、相場全体(M)が崩れていれば見送る——この規律が、CAN SLIMの背骨です。
日本株での銘柄の探し方
7条件をすべて完璧に満たす銘柄は多くありません。実践では「多くを満たすほど有望」という優先順位づけに使うのが現実的です。日本株での具体的な見方は次のとおりです。
- 決算で増益を確認(C・A):四季報や決算短信で、直近の四半期と通期の利益の伸びをチェック。
- 新高値を手がかりにする(N):長い保ち合いを抜けて新高値をつける銘柄は、変化が起きているサイン。
- 出来高で需給を見る(S・I):上昇に伴って出来高が増えているか。プロの買いが入っている兆候を読む。
- 地合いを最優先(M):日経平均などの市場全体が上昇局面か。下げ相場では、良い銘柄でも無理をしない。
日本株で使う際の注意
- 母数の違い:米国に比べ、急成長する銘柄の数は限られます。条件を緩めすぎず、無い時期は待つ。
- 小型株のリスク:成長株は値動きが激しく、流動性も薄め。必ず損切りラインを置く(逆指値)。
- 新高値≠飛びつき:高値更新でも、上がりきった所への飛びつきは禁物(高値づかみ対策)。
Point
CAN SLIMの価値は「7つ全部を当てる」ことではなく、買う前に同じ基準で点検する“仕組み”を持てることにあります。感覚で買わず、条件で絞る。これだけで、銘柄選びは大きく安定します。