「相場が動き出すのを待ち、動き出してから乗る」。リバモアの教えは、せっかちな現代の私たちにこそ効きます。
ジェシー・リバモアとは
ジェシー・リバモアは、20世紀前半に活躍した伝説的なトレーダーです。少年時代の株価予想から身を起こし、相場の大きな転換を捉えて巨万の富を築いたことで知られます。100年近く前の人物でありながら、その相場観や規律の考え方は、いまも多くの投資家に読み継がれています。
ピボタルポイントとは
リバモアの手法の核にあるのが ピボタルポイント(pivotal point = 転換点)という考え方です。これは、価格がそこを抜けると、一気に大きく動き出しやすい重要な節目のこと。長い保ち合いの上限や、過去の高値といった水準がこれにあたります。
リバモアは、安いところを当てにいくのではなく、このピボタルポイントを抜けて「動き出したことを確認してから」乗ることを重視しました。底や天井を予想するのではなく、相場が自ら方向を示すのを待つ——いわば順張りの発想です。
リバモアの教えの本質
- 待つことが仕事:いつでも売買するのではなく、ピボタルポイントが現れるまで「何もしない」。リバモアは「儲けたのは待っていたからだ」と語ったと伝えられます。
- トレンドに従う:自分の意見ではなく、相場の方向に従う。逆らわない。
- 損は素早く切る:間違ったとわかったら、すぐに手仕舞う。傷を広げない。
- 勝っている玉は伸ばす:うまくいっている間は、慌てて利確しない。
現代の日本株で活かすには
- 節目を事前に決めておく:直近の高値や保ち合いの上限を、買いの基準(ピボタルポイント)として先に引いておく(トレンドライン・抵抗線)。
- 出来高を伴う突破を確認する:薄商いの突破は「だまし」になりやすい。出来高の増加を伴うかを見る。
- 地合いを確認する:相場全体が上昇局面のほうが、突破は続きやすい。
- 飛びつかない:突破の確認前に先回りしない。確認してから乗る(高値づかみ対策)。
リバモアの強さは、予想の的中率ではなく「待てること」と「損を切れること」にありました。動き出すまで待ち、間違えたら即撤退する。この規律こそ、100年を超えて通用する普遍の型です。