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Technical Indicator

一目均衡表は日本株で使えるか

TOPIX500の10年分のデータで、教科書どおりの使い方を検証しました。判定は×捨てろ。あわせて、一目均衡表の基本と見方・注意点を解説します。

一目均衡表は、5本の線と「雲」を使って、相場の強弱と時間の流れを一枚のチャートで読み取るための、日本生まれの指標です。

日本株10年の検証結果

×捨てろ検証したのは雲の上抜けに限る

雲は遅すぎた

17,283回
検証した売買の数
52.4%
勝率(参考値)
+0.64%
ランダムに買った場合との差
(1回の売買あたり)

TOPIX500の490銘柄を対象に、2016年1月〜2025年12月の10年分で、教科書どおりのシグナルが出た翌営業日に買い、20営業日後に売った場合の成績です。同じルールでランダムなタイミングに買った場合と比べて、1回の売買あたり+0.64%の差がありました。勝率は売買の何割で利益が出たかを示す数字で、判定には使っていません。

10年を通すと、ランダムに買った場合を上回っています。それでも判定が「×捨てろ」なのは、10年の平均だけで判定していないからです。相場が上げているとき・下げているとき、期間の前半・後半の4つに分け、売り方2通り(出口A・出口B)のそれぞれで、ランダムに買った場合との差が実質ライン(+0.3%)を超えているかを確かめています。実質ラインは、わずかなプラスを誤差と見なさないための線で、これを超えて初めて「効いている」とみなします。◎の指標は、8つの区分すべてでこの線を超えました。一目均衡表の判定の根拠になった区分は次のとおりです。

区分売り方ランダムとの差実質ライン
後半(2021年〜2025年)出口A(20営業日後に売る)+0.09%届かず
後半(2021年〜2025年)出口B(8%トレーリング)+0.14%届かず
下落局面(市場全体が下げ基調の時期)出口A(20営業日後に売る)+0.25%届かず
前半(2016年〜2020年)出口A(20営業日後に売る)+0.90%超えた

8つの区分すべての成績は、本に収めています(検証のしかた)。

検証したのは、株価が雲を上に抜けた日に買う使い方だけです。三役好転など、一目均衡表のほかの使い方は検証していません。

検証の条件

期間2016年1月〜2025年12月(10年間)
対象TOPIX500構成銘柄(490銘柄が有効)
売買ルール買い:一目均衡表(雲上抜け)の教科書どおりのシグナル(下の「検証したルール」)が出た翌営業日の寄付で成行買い
売り:買ってから20営業日後に売る(出口A)。このページの数字は、この売り方の成績
パラメータ:すべて教科書のデフォルト値。最適化は一切なし
手数料・スリッページ往復0.3%(手数料+すべり)を毎回差し引き
比べた相手デタラメ売買(ランダムエントリー)約1万4千回

どんな指標か

日本生まれの世界的チャート理論。「雲」で相場を読む

結論

雲の上抜け買いは遅すぎる。優位性は残っていない

検証したルール(教科書の使い方)

一目均衡表の代表的な買いサインである「雲の上抜け」——株価が抵抗帯(雲)を上に突き抜けた日を買う使い方です。

書籍『最新日本株10年で全検証 本当に使えるテクニカル指標』より

26指標すべての判定一覧と、検証のしかた →

一目均衡表とは

一目均衡表(いちもくきんこうひょう)は、昭和の初めに細田悟一(筆名・一目山人)が考案した、日本生まれのテクニカル指標です。名前のとおり「相場の状態をひと目で見る」ことを目指して作られ、いまでは海外でも「Ichimoku」の名で使われています。

ほかの多くの指標が「価格」だけを見るのに対して、一目均衡表は時間も重視します。線の一部を未来や過去にずらして描くのはそのためで、ここがほかの指標との大きな違いです。

5本の線

一目均衡表は、次の5本の線で描かれます。一般的な設定は「9・26・52」です。

線
計算のしかた
描く位置
転換線
過去9日の高値と安値の中間
当日
基準線
過去26日の高値と安値の中間
当日
先行スパン1
転換線と基準線の平均
26日先にずらす
先行スパン2
過去52日の高値と安値の中間
26日先にずらす
遅行スパン
当日の終値
26日前にずらす

転換線は短い期間、基準線はやや長い期間の値動きの中心を表します。移動平均線が終値の平均なのに対して、一目均衡表の線は「高値と安値の中間」を使う点が特徴です。

雲の見方

先行スパン1と先行スパン2に挟まれた帯を雲(抵抗帯)と呼びます。一目均衡表の見方の中心は、この雲と株価の位置関係です。

雲が厚いほど抵抗は強く、薄いほど抜けやすいと考えられています。また、先行スパン1と2が入れ替わって雲がねじれる場所は、相場の流れが変わりやすい時期の目安とされます。

雲の上抜け 雲(抵抗帯)
株価(紺の線)が雲の下から雲を上に抜ける場面を「雲の上抜け」と呼び、一般には強い相場に変わるサインとされます。雲は先行スパン1と2に挟まれた帯で、先の日付にずらして描かれます。

三役好転

一目均衡表には、雲の上抜けのほかにも多くの使い方があります。よく知られているのが三役好転で、次の3つがそろった状態を指します。

3つの条件を重ねるぶん、ひとつの条件だけを見るよりも慎重な見方とされます。反対に、3つとも逆になった状態は三役逆転と呼ばれます。

Point

一目均衡表の線は、過去の高値と安値から計算されます。雲は先の日付にずらして描かれますが、未来の値動きを知っているわけではありません。使い方が多いぶん、どの見方を採るのかを先に決めておかないと、都合のよいサインだけを拾ってしまいがちです。

スイングトレードでの見方

一目均衡表は、雲・5本の線・三役好転と、見るところの多い指標です。だからこそ、日本株のスイングトレードで使うなら、どの条件を見て、何をするのかを事前に一つに決めておくことが大切です。

このページの冒頭の検証は、そのうち「雲の上抜け」という一つの使い方を、教科書どおりに確かめたものです。ほかの使い方を試すときも、同じように条件を決め、その条件で過去の成績を確かめてから使うのが、感情に流されない判断につながります。

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この検証を引用するときは、出典:ルールトレード(https://ruletrade.jp/indicator-ichimoku.html)と書いてください。自由に引用できます。

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本記事は投資・チャートに関する一般的な教育・情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨・勧誘するもの、または投資判断について助言するものではありません。過去の検証結果は将来の成果を保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。 免責事項の詳細