学ぶ›テクニカル指標の検証›RSIは日本株で使えるか

Technical Indicator

RSIは日本株で使えるか

TOPIX500の10年分のデータで、教科書どおりの使い方を検証しました。判定は◎使える。あわせて、RSIの基本と見方・注意点を解説します。

RSIは、値動きの勢いを0〜100の数値で表し、相場がどれくらい過熱しているかを測るための指標です。

日本株10年の検証結果

◎使える26指標中2位

恐怖の温度計。暴落時の主戦力

7,769回
検証した売買の数
60.3%
勝率(参考値)
+2.41%
ランダムに買った場合との差
(1回の売買あたり)

TOPIX500の490銘柄を対象に、2016年1月〜2025年12月の10年分で、教科書どおりのシグナルが出た翌営業日に買い、20営業日後に売った場合の成績です。同じルールでランダムなタイミングに買った場合と比べて、1回の売買あたり+2.41%の差がありました。勝率は売買の何割で利益が出たかを示す数字で、判定には使っていません。

検証の条件

期間2016年1月〜2025年12月(10年間)
対象TOPIX500構成銘柄(490銘柄が有効)
売買ルール買い:RSIの教科書どおりのシグナル(下の「検証したルール」)が出た翌営業日の寄付で成行買い
売り:買ってから20営業日後に売る(出口A)。このページの数字は、この売り方の成績
パラメータ:すべて教科書のデフォルト値。最適化は一切なし
手数料・スリッページ往復0.3%(手数料+すべり)を毎回差し引き
比べた相手デタラメ売買(ランダムエントリー)約1万4千回

どんな指標か

直近2週間の「売られすぎ」を測る温度計

使い方

RSIが30を下回ったら買う、というルールで検証した。暴落時にこそ強かった

検証したルール(教科書の使い方)

教科書には「RSIが30を割ったら売られすぎ。買いを検討」と書いてあります。本書の検証も、この教科書通りのルールで行いました。RSI(14日)が30を上から下に割り込んだ日がシグナル。翌営業日の寄付で買います。

書籍『最新日本株10年で全検証 本当に使えるテクニカル指標』より

26指標すべての判定一覧と、検証のしかた →

RSIとは

RSIは「Relative Strength Index(相対力指数)」の略で、価格の上昇の勢いと下落の勢いのバランスを数値化したテクニカル指標です。一定期間(一般には14日がよく使われます)の値動きをもとに、上昇幅と下落幅の比率から、相場の状態を0〜100の範囲で表します。

数値が高いほど「上昇の勢いが強い(買われている)」、低いほど「下落の勢いが強い(売られている)」状態を意味します。RSIのように一定の範囲を行き来して相場の過熱感を測る指標は、「オシレーター系」と呼ばれます。

70と30の目安

RSIには、相場の過熱感を判断するための一般的な目安があります。よく使われるのが「70」と「30」というラインです。

RSIの値
一般的な見方
相場の状態
70以上
買われすぎ
上昇が過熱気味
30以下
売られすぎ
下落が過熱気味

ただし、これらはあくまで目安であって、絶対の基準ではありません。70を超えたら下がる、30を割ったら上がる、と決まっているわけではない点に注意してください。銘柄や相場環境によって、機能しやすい水準は変わってきます。

70 50 30 買われすぎ(70以上) 売られすぎ(30以下)
RSIは0〜100の範囲で推移します。70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と見るのが一般的な目安。強いトレンド中は高い/低いまま張り付くこともある、と注意されることが多い指標です。

逆張りの考え方と注意

RSIは「売られすぎなら買い、買われすぎなら売り」という逆張りの発想で使われることが多い指標です。一方で、教科書や解説記事では、売られすぎ=即買いと単純に考えるのは危険だ、と書かれることが多くあります。

よく挙げられる理由が、強いトレンドです。勢いのある上昇トレンドでは、RSIが70以上の高い水準に張り付いたまま、価格がさらに上がり続けることがあります。逆に、強い下落トレンドでは、RSIが30以下の低い水準に張り付いたまま、価格が下げ止まらないこともあります。そのため、RSIの数値だけで逆張りするとトレンドに逆らって損失を広げる、と注意されるわけです。

ただ、日本株10年の検証では違う結果が出ました。RSIが30を下回ったら買い、決まった日数で売るという単純な逆張りのルールで、ランダムに買った場合を上回り、判定は冒頭のとおりです。暴落の局面でこそ強かったのも、教科書の注意とは逆の結果でした。

ダイバージェンス

RSIの使い方のなかで、よく知られているのが「ダイバージェンス(逆行現象)」です。これは、価格の動きとRSIの動きが食い違う状態を指します。

たとえば、価格は高値を更新しているのに、RSIは前の高値を切り下げているとき。これは「価格は上がっているが、上昇の勢い自体は衰えてきている」というサインと解釈されます。反対に、価格は安値を更新しているのにRSIが下げ止まっている場合は、下落の勢いが弱まってきているサインと見られます。

ダイバージェンスは、トレンド転換の早期サインとして使われることがあります。ただし、これも転換すると決まっているわけではなく、勢いの変化に気づくための一つの目安として捉えるのが現実的です。

Point

教科書では、RSIは一方向に強く動くトレンド相場では機能しにくく、だましも増えるとされます。検証で成績が良かったルールでも、勝つのは売買の一部で、負ける売買も混ざります。どんな相場環境でどう効いたかを知ったうえで、ルールとして淡々と使うことが大切です。

スイングトレードでの活かし方

解説記事では、RSIは単独の売買サインとしてより、エントリーの過熱判断や補助として使うのが現実的だ、とされることが多くあります。たとえば「上昇トレンドの中で、押し目を狙うときにRSIが下がってきたかを確認する」のような使い方です。

一方、冒頭の検証は、ほかの指標と組み合わせず、RSIのシグナルだけで買った成績です。それでもランダムに買った場合を上回りました。日本株では、RSIは補助にとどまらず、単独のルールとしても検証に耐えた指標です。

大切なのは、RSIの数値を感覚で当てにいくのではなく、あらかじめ決めたルールの一部として組み込むことです。「どの水準で、どんな相場環境のときに、何と組み合わせて使うか」を事前に決めておくことで、感情に流されない一貫した判断につながります。

Book

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この検証を引用するときは、出典:ルールトレード(https://ruletrade.jp/indicator-rsi.html)と書いてください。自由に引用できます。

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