言い伝え:「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、戌(いぬ)笑い」
日経平均60年の検証結果
最強は酉(+21.8%)、最弱は午(-4.9%)。「午尻下がり」は当たり、「戌笑い」は外れ
| 期間 | 辰年・巳年の平均 | それ以外の年の平均 | 差 | p値 |
|---|---|---|---|---|
| 全期間1966〜2025年・辰巳10年/他50年 | +15.56% | +7.29% | +8.27pt | 0.376 |
| 直近10年直近の10年分・辰巳2年/他8年 | +22.70% | +8.18% | +14.52pt | 0.058 |
全期間(1966〜2025年)では、辰年・巳年の年間リターン(10年)の平均は+15.56%、その他の干支の年(50年)は+7.29%で、差は+8.27ポイントでした。p値は0.376で、偶然と区別できる線(0.05)には届いていません。
直近10年に辰年・巳年は2回しかありません。p値は0.058と出ますが、2年ぶんの平均では、偶然かどうかを見分けることはできません。
p値は「本当は何の差もないのに、たまたまこれくらいの差がついてしまう確率」です。0.05を下回れば、偶然では説明しにくい「意味のある差」とみなします。判定は、全期間と直近10年の2つの期間それぞれで、差が言い伝えの向きに出ているか、その差がこの線を下回っているかで決めています(下の「判定の記号の意味」)。
干支別の平均年間リターン(1966〜2025年・各干支は約5年)
| 干支 | 格言 | 平均年間リターン |
|---|---|---|
| 子 | 繁盛 | +15.98% |
| 丑 | つまずき | −0.24% |
| 寅 | 千里を走る | +2.26% |
| 卯 | 跳ねる | +15.09% |
| 辰 | 天井 | +13.95% |
| 巳 | 天井 | +17.17% |
| 午 | 尻下がり | −4.88% |
| 未 | 辛抱 | +5.55% |
| 申 | 騒ぐ | +4.31% |
| 酉 | 騒ぐ | +21.84% |
| 戌 | 笑い | −0.59% |
| 亥 | 固まる | +13.56% |
どの干支も標本は5年前後しかありません。上の表は検定ではなく、参考の平均として並べています。
検証の条件
| 期間 | 全期間:1966〜2025年(60年。暦年の年間リターン) 直近10年:直近の10年分の年(辰年・巳年2年・それ以外8年) |
|---|---|
| 対象 | 日経平均(年間リターン) |
| 売買ルール | なし(売買の成績ではなく、値動きそのものを数えた) |
| 手数料・スリッページ | なし(売買をしていないため) |
| 比べた相手 | その他の干支の年 |
| 測ったもの | 日経平均の年間リターン(1966〜2025年、60年)を干支別に集計 各干支の標本は5年前後。統計判定は不可能なので、参考値として並べる |
| 標本数 | 全期間 60年(辰年・巳年10年・それ以外50年)・直近10年 10年(2年・8年) |
| 注記 | 各干支の標本は5年程度しかなく、統計的な判定は不可能。参考値として掲載 |
言い伝えの由来
相場の世界でもっとも有名な干支の格言は、この全文です。
> 辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌笑い、亥固まる、子は繁盛、丑つまずき、寅千里を走り、卯跳ねる
十二支それぞれに相場の性格を割り当てた語呂合わせで、江戸時代の米相場に由来すると言われます。毎年12月末から1月にかけて、証券会社のレポートにもメディアにも決まって登場します。
判定の記号の意味
- ◎今も有効(全期間・直近10年とも統計的に有意)
- ○昔は有効(全期間では有意だが直近10年では消えた)
- ▲最近になって現れた(全期間では有意でないが直近10年では有意)
- △誤差の範囲(方向は言い伝えどおりだが有意でない)
- ×迷信(方向が逆、または無関係)
- ?判定保留(標本が15未満で統計判定に耐えない)
干支の格言をどう読むか
毎年、年末から年始にかけて、干支の格言はメディアや証券会社のレポートに毎年のように登場します。2027年は未(ひつじ)年で、格言では「未辛抱」と言われる年です。
ただ、干支はそれぞれ12年に1度しか回ってきません。60年分のデータがあっても、1つの干支について数えられるのは5年前後です。5年分の平均は、たまたま大きく上げた年や下げた年が1回あるだけで、大きく動きます。
この検証の判定が「判定保留」なのはそのためです。格言が外れていると言っているのではなく、この標本の少なさでは、当たっているか外れているかを確かめられない、という意味です。このページの数字は過去の日経平均を数えたもので、来年の相場について何かを言うものではありません。
ほかのジンクスの検証
なぜそうなるのか、ほかのジンクスとの関係は本で
言い伝えが効いた理由・効かなくなった理由の深掘りと、派生の検証、50本どうしの関係は、書籍『株のジンクス・アノマリー全50本を61年で全検証』に収録しています。
この検証を引用するときは、出典:ルールトレード(https://ruletrade.jp/jinx/eto.html)と書いてください。自由に引用できます。