言い伝え:「1月が上げた年は、その1年が高い」(As goes January, so goes the year)
日経平均61年の検証結果
差はあるが、まぐれで説明できる範囲(p=0.44)
| 期間 | 1月が陽線の年 | 1月が陰線の年 | 差 | p値 |
|---|---|---|---|---|
| 全期間1965年〜2026年8月・陽線39年/陰線21年 | +8.70% | +3.92% | +4.78pt | 0.438 |
| 直近10年直近の10年分・陽線5年/陰線5年 | +7.40% | +14.16% | −6.75pt | 0.421 |
全期間(1965年〜2026年8月)では、1月が陽線だった年の2〜12月リターン(39年)の平均は+8.70%、1月が陰線だった年の2〜12月リターン(21年)は+3.92%で、差は+4.78ポイントでした。p値は0.438で、偶然と区別できる線(0.05)には届いていません。
直近10年(直近の10年分)では、1月が陽線だった年の2〜12月リターン(5年)の平均は+7.40%、1月が陰線だった年の2〜12月リターン(5年)は+14.16%で、差は−6.75ポイントでした。p値は0.421で、偶然と区別できる線(0.05)には届いていません。
p値は「本当は何の差もないのに、たまたまこれくらいの差がついてしまう確率」です。0.05を下回れば、偶然では説明しにくい「意味のある差」とみなします。判定は、全期間と直近10年の2つの期間それぞれで、差が言い伝えの向きに出ているか、その差がこの線を下回っているかで決めています(下の「判定の記号の意味」)。
検証の条件
| 期間 | 全期間:1965年〜2026年8月(61年8か月・15,154営業日) 直近10年:直近の10年分の年(1月が陽線5年・陰線5年) |
|---|---|
| 対象 | 日経平均(月次・年次) |
| 売買ルール | なし(売買の成績ではなく、値動きそのものを数えた) |
| 手数料・スリッページ | なし(売買をしていないため) |
| 比べた相手 | 1月が陰線だった年の2〜12月リターン |
| 測ったもの | 1月の月次リターンがプラスだった年(39年)と、マイナスだった年(21年)に分ける それぞれの年の2月〜12月のリターンを比較(1月ぶんを含めるとカンニングになる) |
| 標本数 | 全期間 60年(1月が陽線39年・陰線21年)・直近10年 10年(5年・5年) |
言い伝えの由来
米国の投資年鑑『Stock Trader's Almanac』が広めた指標です。「1月の値動きが、その年の残りを予告する」。年始めに結論が出るぶん、メディアが飛びつきやすく、毎年2月になると決まって記事になります。
判定の記号の意味
- ◎今も有効(全期間・直近10年とも統計的に有意)
- ○昔は有効(全期間では有意だが直近10年では消えた)
- ▲最近になって現れた(全期間では有意でないが直近10年では有意)
- △誤差の範囲(方向は言い伝えどおりだが有意でない)
- ×迷信(方向が逆、または無関係)
- ?判定保留(標本が15未満で統計判定に耐えない)
差があっても「誤差の範囲」になる理由
1月バロメーターは、1年に1回しか標本が取れません。60年分のデータがあっても、比べられるのは60の年だけです。標本が少ないと、偶然でもそれなりに大きな差がつきます。
この検証の判定が「誤差の範囲」なのはそのためです。差は言い伝えの向きに出ていますが、p値が意味のある差の線に届かず、偶然でも起きる大きさの差と区別できませんでした。
このページの数字は過去の日経平均を数えたもので、その年の1月の値動きから、残りの月の相場を言い当てるものではありません。
ほかのジンクスの検証
なぜそうなるのか、ほかのジンクスとの関係は本で
言い伝えが効いた理由・効かなくなった理由の深掘りと、派生の検証、50本どうしの関係は、書籍『株のジンクス・アノマリー全50本を61年で全検証』に収録しています。
この検証を引用するときは、出典:ルールトレード(https://ruletrade.jp/jinx/january-barometer.html)と書いてください。自由に引用できます。