言い伝え:「2月上旬に高値をつけ、3月下旬に安値をつける」
日経平均61年の検証結果
高値も安値も、期間の端(1月上旬と3月下旬)に集中している
| 当たった割合 | 偶然の期待値 | 差 | p値 | |
|---|---|---|---|---|
| 節分天井全期間・62年で1回 | 1.6% | 12.0% | −10.43pt | 0.001未満 |
| 節分天井直近10年・10年で0回 | 0.0% | 12.0% | −12.04pt | — |
| 彼岸底全期間・62年で7回 | 11.3% | 11.8% | — | 0.895 |
節分天井:全期間で、1〜3月の高値が節分前後(2月1日〜10日)に来たのは62年で1回(1.6%)でした。偶然そこに高値が来る確率は12.0%なので、言い伝えが当たるどころか、偶然に任せたときより当たっていません。差はマイナスで、p値は0.001未満です。
直近10年では、10年とも高値は節分前後に来ていません(0.0%)。すべて外れでばらつきが無いため、この方法ではp値を計算できず、表では「—」にしています。
彼岸底:1〜3月の安値が彼岸前後(3月15日〜25日)に来たのは62年で7回(11.3%)で、偶然の期待値11.8%とほぼ同じです。p値は0.895で、偶然と区別できる線(0.05)には届いていません。
p値は「本当は何の差もないのに、たまたまこれくらいの差がついてしまう確率」です。0.05を下回れば、偶然では説明しにくい「意味のある差」とみなします。判定は、全期間と直近10年の2つの期間それぞれで、差が言い伝えの向きに出ているか、その差がこの線を下回っているかで決めています(下の「判定の記号の意味」)。
検証の条件
| 期間 | 全期間:1965年〜2026年8月(61年8か月・15,154営業日) 直近10年:2016年8月〜2026年8月 |
|---|---|
| 対象 | 日経平均(日足・終値) |
| 売買ルール | なし(売買の成績ではなく、値動きそのものを数えた) |
| 手数料・スリッページ | なし(売買をしていないため) |
| 比べた相手 | 偶然そこに入る確率(=その期間の営業日数÷1〜3月の営業日数)と比べる |
| 測ったもの | 各年の1月1日〜3月31日で、日経平均が高値をつけた日を特定する その日が2月1日〜2月10日(節分前後)に入っていた年の割合を数える 同様に、安値をつけた日が3月15日〜3月25日(彼岸前後)に入った割合を数える 1965〜2026年の62年。高値・安値は終値ベース(1988年3月以前は日中の高安データが存在しないため) |
| 標本数 | 全期間 62回・直近10年 10回 |
| 注記 | 高値・安値は終値ベースで判定(1988年3月以前は日中の高安データが無いため)。彼岸底: 実測11.3% / 偶然の期待11.8% (p=0.895) |
言い伝えの由来
日本独自の格言で、江戸時代の米相場に由来すると言われます。新米の出回りと決算期の資金需要——という説明が定番ですが、出典をたどると諸説あって定かではありません。それでも毎年1月末になると、決まってどこかの記事に出てきます。
判定の記号の意味
- ◎今も有効(全期間・直近10年とも統計的に有意)
- ○昔は有効(全期間では有意だが直近10年では消えた)
- ▲最近になって現れた(全期間では有意でないが直近10年では有意)
- △誤差の範囲(方向は言い伝えどおりだが有意でない)
- ×迷信(方向が逆、または無関係)
- ?判定保留(標本が15未満で統計判定に耐えない)
例に挙げられた年ではなく、全部の年を数える
ジンクスの記事では、言い伝えどおりになった年が例として挙げられがちです。言い伝えどおりの年が1回でもあれば、例には事欠きません。
この検証では、例を選ばずに、1〜3月の高値と安値がいつ付いたかを全部の年について数えました。そのうえで、偶然そこに来る確率と比べています。比べる相手を置かないと、当たった割合が多いのか少ないのかを判断できないからです。
このページの数字は過去の日経平均を数えたもので、来年の2月や3月の相場について何かを言うものではありません。
ほかのジンクスの検証
なぜそうなるのか、ほかのジンクスとの関係は本で
言い伝えが効いた理由・効かなくなった理由の深掘りと、派生の検証、50本どうしの関係は、書籍『株のジンクス・アノマリー全50本を61年で全検証』に収録しています。
この検証を引用するときは、出典:ルールトレード(https://ruletrade.jp/jinx/setsubun-tenjo.html)と書いてください。自由に引用できます。